ホテル・ルワンダ 対中朝戦争開戦はいつか?

「それで、何らかの理由で中国共産党が政権の座を失うときについてなんだけど。」「前ふり長かったね〜。」「特別の事情を別にすると、最初の革命世代と世代交代が進んだときと考えられる。」「これは、人の一生と関係あるということか。」

「人というのは、父親と別のことをして祖父と同じことをするという法則がある。」「革命世代の孫の世代でもう一度、革命をするということか。」

中国共産党と似たような独裁体制ということで、ソ連共産党中国国民党がそれぞれ、政権を掌握した時から政権を失った時までの間が、実は74年間と72年間なんだな。」「賞味期限が73年間だとすると、中華人民共和国成立したのは1949年だから、2022年頃まで持つかも知れないね。とすると、約16年後ということか。」

「これはあくまでも目安なんだが、面白いことに、ソ連軍占領地域で衛星国となった旧東欧と違って、独自の社会主義を目指したユーゴスラビアはある意味で、中国と似ているのだが、ユーゴスラビア王国独裁体制時代を含めると、74年間続いたことになる。」「とはいっても、最後の十数年間は内戦でNATOが介入したから実態はあやしいものだったね。」

「仮に中華人民共和国の有効期限が2022年頃だったとしても、最後の十数年の間に内戦と分裂をした結果、消滅するとすれば、あと何年かで内戦が始まってもおかしくないことになる。」

  • 米ソ対立との比較

「今度は、米ソ対立と米中対立の違いを見てみよう。」「米ソ対立はようするに市場経済対計画経済の対立なんだよね?」「しかし、いまの中国は共産主義を信奉しているといっても誰も信じない。」「市場経済市場経済なら、対立するはずがないな〜。」「でも、現実には対立しているんだよ。」

「それに、なんだかんだといっても、米ソは核戦争を回避すべきだという意見では一致していた。」「だから、実際に核戦争をするための軍拡ではなくて、ようするに、市場経済対計画経済はどちらが優れているのかということを実証するための軍拡だったんだよ。」「まあ、早い話がとなりがBMW買ったからうちはベンツみたいな見栄張り合戦だったわけだな。」

「んで、実際、それでレースをするのかというとしないわけだろ?」「まあ、せいぜい、喫茶店で俺の車の方が速い、いや、この状況では俺の方が速いとかいって口げんかするくらいだろうな。」「では,口げんかしているからといって、この二人は仲が悪いのか?」「そりゃ、どう考えたって友達だろ?」

「なんたって、二人とも白人でキリスト教徒なわけだからな。」

「それに、アメリカはソ連共産党独裁体制を非難したが、中朝の軍事独裁体制よりはマシなんだよ。」「いわゆる、シビリアンコントロールって奴だな。」「それに、米ソは民主主義が重要だという点では一致してたんだよ。」

「でも、ソ連は独裁体制じゃないか。民主的とはいえないだろう.。」「でも、一応、党内では議論して決議するんだよ。それに、一応、選挙だってあったんだよ。」「それなら、中国共産党でも同じだろう。」

「西側の基準ではインチキであるとはいえ、一応、人民の代表が軍をコントロールしているのと、中国や朝鮮のように軍事力を持っているから党を指導しているのとはぜんぜん違うだろう。」「でも、中国は国家主席共産党が指名するのだから、結局、同じなんじゃないか?」「もちろん、建前ではそういうことになっているのだが、実際は違っているんだよ。」「つまり、どういうことだ?」

「まず、ソ連共産党一党独裁体制が正当化されたのは、民主主義を実現するために革命に反対する勢力である帝政復活を阻止することにあった。」「帝政に戻ったら革命の意味がないからな。」「フランス革命の教訓だよ。」

「王党派の反乱とかあったり、ナポレオンが結局、皇帝になっちゃったりしたな。」「でも、ナポレオンに独裁権を与えたのは国民投票だし、ナポレオンを皇帝にしたのは元老院なんだよ。」「ベートーベンが交響曲第三番英雄の楽譜の表紙を引き裂いて、彼も普通の人間にすぎなかったのか、といったのは超有名。」

「そこで、レーニンロシア革命では、個人に権力が集中して、個人独裁になるのを避けるため、共産党が軍よりも優位になるようにして、一時的に選挙を規制することにした。」「それで、革命を否定するのを阻止したのは理解できるけど、それにしても随分長い一時的措置だな。」

「で、共産党はいずれ共産主義に移行して本物の民主主義が実現すると言っていたのだが、共産党,自体が革命の失敗を自覚して、誰の目にも計画経済が機能しなくなっていることが明らかに成ってきた。」「ゴルバチョフ登場!」「ゴルバチョフが考えたのは、いくらなんでもこれ以上、共産党が人民にウソを付き続けるのは無意味だと判断した。そこで、当面、実現不可能である共産主義への移行よりも、民主化の実現を実行しようとした。」「で、ソ連崩壊と。結局、中国共産党ソ連共産党のコピーなんでしょ。どう違う?」

毛沢東は、銃口から政権が生まれるとして、あくまでも軍事を重視した戦略家であり、民主主義を実践することは考えていなかったのだよ。」「毛沢東思想はマルクス・レーニン主義を受け継がなかったのか?」「一応、受け継いではいるんだが、中国式に応用したんだよ。」「で、その毛沢東思想のマネである金日成思想が極端な方向に行っちゃったわけだな。」「北朝鮮ガチガチの個人独裁になってしまい、どっから見ても共産主義ではなくなって、単なる王朝になってしまったんだよ。」

「で、本家の中国共産党の方なんだが、ソ連を見ていてひどい混乱が起こったので、これが性急な民主化にあると考え、市場経済への移行はするのだが、民主化は見送ることにした。」「でも、今の所はうまくいっているよね。」「だから、中国への投資も増えたな。」「中国がソ連みたいなことになるなら、共産党一党独裁が、結局、西側の利益になるんじゃないか?」「でも、それでは人民の都合は無視でいいのか?」「でも、生活が良くなってきたので、人民は満足しているのだろう。いいことじゃないか。」「あくまでも、今の所はね。」

「それに、独裁体制なんて世界中にいくらでもある。」「でも、中国がどうなるかは結局、人民が決定することで、外国人の都合は考えてくれないんだよ。」

「つまり、簡単に言うとこういうことか。ソ連の場合は政権交代が民主的に可能な状況にあったので、ソ連邦の崩壊とその後始末のゴタゴタで済んでいるが、中国では民主化が実現する可能性がないので、当面はインチキでなんとかなっているけど、人民の不満が爆発したら悲惨な内戦に発展するということか。」

「その、人民の不満を内側にためこむのではなく、外側に向けているのが、米中、日中の対立の本質なのだよ。」「つまり、中国は内戦になるのか、それとも、日米と中朝の戦争になるのか、いずれにしても戦争にはなってしまうということだな。」

http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20060312
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20060304
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20060225


「一見、良く出来た理論のようでも風が吹けば桶やが儲かる式で理論が正しいことにはならないと思うけど?」「実はちゃんとした根拠もあるんだよ。」「対中朝戦争が勃発する根拠があると言うのか!」

「実は、リベラル派が米国の政権を取っていたときに、中国に空爆を実施したことがあるんだ。」

◆ ベオグラード中国大使館誤爆事件
http://www.h6.dion.ne.jp/~ct-labo/dictionary/beoglad.html

 1999年、NATO軍がユーゴスラヴィアで人道的介入の名の下に空爆を行った際、5発の精密誘導弾がベオグラードの中国大使館の敷地内に落下、内3発は大使館を直撃し死者3名、負傷者20名を出した事件。

「なるほど。中国大使館は治外法権で中国の領土と同じだから、中国を空爆したことになるな。」

「よりによって、なぜ中国大使館に当たる?」「普通に考えて全くありえない確率で起こる偶然というのはないからね。」「それに、三発も大使館を直撃していて、死者三名というのも奇妙だよね。」「これが米軍発表通り、軍事目標への攻撃だとしたら、いかにも線香花火みたいで意味がないと思えるよ。」「演習用の模擬弾だったのかね〜。」

「仮に目標を正確に破壊できるから、その分、無駄に爆発が起きないように威力を抑えていたのだとすれば、攻撃対象の情報収集は万全なものだったはずだよ。」

「本当に誤爆なのか意図的な攻撃なのかは別として、中国側の認識がどうなっているかが重要なんだよ。」「中国側が意図的な攻撃と感じれば、軍事的緊張が高まったことは間違いないだろう。」「なにしろ、流れ弾がたまたま当たったというのとは違うからね。」「少なくとも、目標に正確に当たったことは事実なんだからな。」

「もし、これが意図的な攻撃だったら、その意味はなんだろうか?」「まず、誤爆であると言い訳ができる材料をあらかじめ用意して計画的に実行したものだとすれば、目的は単なる警告なんだろうな。」「警告は二度はないというわけだな。」

「ということは、仮に北朝鮮核兵器の問題が解決したとしても、米国の仮想敵国が中国である、もしくは中国側がそう受け取っているのなら、第二の冷戦に発展しかけねないと言えるね。」「日中間においても完全に外交関係は冷え切っているのだから、第二の冷戦といって差し支えないだろう。」

「第二の冷戦であるならば、ソ連のケースは参考になるだろうね。」「いや、東欧やソ連とは違った形になると思われるよ。」「ということは、中国の歴史を研究すればわかるわけだね。」「結論を先にいうと、日本が朝鮮から中国に行って、その後と同じ運命をたどるのだとすれば、中国の内戦に発展する危険性がある。」

ソ連型の体制崩壊が起こらず、内戦になる根拠は?」「実は、ソ連共産党中国共産党の体質は全く異なるんだ。」「ソ連共産党には軍をコントロールすることが出来て、中国共産党には出来ないということだね。」「実は、朝鮮労働党にも同様の問題がある。」

「軍がクーデターを起こすということかな。」「というよりも、中国や北朝鮮を支配している原理が、党が軍を支配しているのではなくて、軍を支配している者が党や国を支配しているということなんだよ。」「つまり、軍事優先ということなのか。」「もっと正確に言うと、軍事力を持った者が、指導者であるということだよ。」

「なるほど、だから、北朝鮮が自主的に核兵器を放棄して、この問題が解決する可能性が無いと言うわけだな。」「権力の基盤が核兵器にあるなら、核兵器を廃棄すれば権力も失うということだからね。」

北朝鮮核兵器を持ったことで、南北統一で北の主導権が確定したとも言えるね。」

ソ連の場合は共産党に権力が集中していて、党が完全に軍を統制していたので、クーデターが起こりにくいし、ゲリラ活動のようなことも起こる可能性が無かったので、その分、米国や西側諸国もある意味で信用していたんだよ。」