ホテル・ルワンダ リベラルと植民地主義

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「そもそも、リベラルと保守ってどう違うのかな?」「色々な分け方があって人によってイメージが違うんじゃないかな?」「社会主義志向と資本主義志向みたいな。」「そういう意味もあるけど、それではリベラリズムを理解できないだろう。」

「では、一つの例として幕末に来航したペリー提督はリベラルなのか保守なのか。」「植民地主義全盛の時代に日本に開国を迫ったということは、保守なのかな。」「これはリベラルなんだよ。」「どうして、保守ではなくて、リベラルと言えるの?」

「実は、植民地主義というのは、リベラリズムと関連があるんだよ。」「自由志向だから、外国に出かけるということかな。」「正解。保守主義者というのは、基本的に生活の基盤である土地を守ろうとする。しかし、自由主義者は土地には縛られないから、船に乗って外国に出かけることができる。」

「土地にしばられるから陸の文化、土地にはしばられないから海の文化ということか。では、飛行機は?」「もちろん、飛行機も海の文化の一つなんだよ。航法というのがあって、飛行機をどっちに飛ばすかという技術は、基本的には海の文化の応用なんだ。だから、空港なんて言ったりする。」

「色々な民族と交流するから、人種差別的ではないのが、海の文化。他の民族に自分の土地に進入されたくないから、人種的な対立に発展するのが陸の文化。」「色々な国に行って交易をするから、植民地主義はリベラルというわけか。」

「日本は長い間、鎖国をしていたので島国でありながら、リベラリズムが発展せず、保守的になったという事情があるけど、アメリカは大陸でありながら、外国との交易が盛んであったので、リベラリズムが発展した。」「日本は外国と交易するようになって、自由主義志向になり、移民として世界を目指した。」

「で、世界中からアメリカに移民した人たちのうち、最初のグループはイギリスから来た人たちだった。」「アメリカはイギリスの植民地だったわけだから、当然だね。「で、植民者は土地を得て農業を営み、多数派の保守主義者になって共和党を支持するようになった。」「そのうち、土地に工場を建てたりして資本家になる人もいて、とうぜん、その人たちも共和党支持ってわけだ。」

アメリカがイギリスから独立し、資本主義が発展した後にアメリカに移民した人の多くは、イギリス人ではなく、アメリカでは少数派となり、工場などの労働者になったり、金融業、サービス業、貿易商、小売商が多いのでリベラル派として民主党を支持するようになった。」

「なるほど、貿易商はリベラル派であり、日本と交易したいと思っているから親日であると。」「もちろん、その交渉過程で日本に厳しい要求を突きつけたりもするので、その部分だけを取り出すと、反日的にも見えるわけだ。」「全体を見ないとダメなんだね。だいたい、本当に日本が嫌いなら、日本に来るわけないんだからな。」

「全くその通り。商人は儲けるために日本商品を世界に紹介する必要がある。どうして、この人たちは反日勢力だと言えるのだろうか?」「では、親日で反中ということではなくて、親日で親中ということなんじゃないの。」「そうだよ。リベラル派というのは、共産主義が好きというよりも、東洋趣味的だから、中国も日本も好きだという人が多いんだよ。」

「では、アメリカ・リベラル派は親日反中であるというこの前の話は矛盾するのではないか?」「その、反中というのは、中国政府の人権問題とか軍事力に懸念をもっているということであって、中国文化とか中国人が嫌いということではないんだよ。」

「なるほど、保守主義者が中国志向でリベラル派が反中国に傾いているのは、いかにも奇妙な感じがするんだけど、本来のリベラル派の立場からすると、中国政府には問題があるということだね。」

保守主義者は中国で儲かればそれでいいという考えかも知れないけど、リベラル派は権利関係がちゃんとしてないとイヤなんだよ。」「そもそも、中国で本当に儲かるのかという話しもあるな。」「もちろん、権利関係というのは、お金の問題がちゃんとしているのかということもある。」「まあ、普通に考えて、人権がちゃんとしていない国が財産権だけ守ってくれるということはないよね。」

「そもそも、中国人の頭の中身が自由になっていないのに、経済活動だけを自由化するって話しにムリがあるんだよ。」「では、中国人の頭の中身が自由になれば良いのか?」「もっと、根本的な問題がある。中国が資本主義化すること自体に非常に大きな問題があるんだ。」

「日本の資本主義は良くて、中国のはダメというのは偏見では?」「そうではない。そもそも、資本主義とは何なのだ?」「早い話が金儲けでしょ。」「で、金が儲かると中国は人口が多いので、世界で最強の資本主義国になるってことだろ?」「仮に平均所得が日本人より低くても、人口が多いから、国全体で見ると世界で一番お金を持っている国ということになるな。」「で、そのお金でどうする。」

「日本が丸ごと買収されるかもね。」「その前に台湾でしょ〜。」「台湾が中国になってどうして問題なの?」「問題は軍事力だ。」「なるほど、金があれば原潜も核ミサイルも作り放題ってわけだ。」「それもあるが、問題は、台湾には世界有数のコンピューター産業が集中しているんだよ。」「つまり、ハイテク兵器がまるごと中国のものになり、日米の防衛システムに重大な問題が発生するってことか。」

「つまり、世界の軍事的なバランスが崩れて世界の核保有国が中国に対して負けが決定してしまい、東條になってしまうということさ。」「それを防ぐには、日本が核武装してバランスを取る必要があると。」