ホテル・ルワンダ ほ〜、どうしても朝鮮人虐殺が重要だとこだわりたい?

http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20060312
どうして?
朝鮮人が他人種よりも優先されるべきだという科学的とかなんとかのわけのわからない理屈はわからない。

僕たちリベラル派が少なくても広島長崎を語るときは死んだのが日本人じゃなくて、原爆が大量破壊兵器だからだ。関東大震災で殺された朝鮮人の方が原爆で殺された朝鮮人よりも重要なのか?だとすれば、どうして?この理屈が全くわからない。


そのあたりを華麗にスルーしてパンフレットに関東大震災朝鮮人虐殺だけを語ったのは、町山氏がそれ以外に語るべきものがなかったのか、それとも、人種対立的見地でしか語れないのか、それとも、朝鮮人虐殺について語ることは、心に痛みを感じることがないので、責任を負担しなくても良かったのか?


数の問題なら、広島、長崎の方が桁外れに多いし、残虐性の問題についても比較にならない。なによりも、問題なのは放射能の問題だ。僕は東北出身だが、オヤジの仕事の都合で広島に数年住んでいたことがある。その後、転勤したのだが、転居先の学校で「お前は放射能にやられている。」と言われてかなりイジメられた。広島からの転校生だからってわけだ。


もちろん、僕が広島に住んでいたのは、戦後相当たってからで、放射能なんてぜんぜん残ってないし、まるで関係ないのだが、実際にはそういう偏見はかなりあったわけだ。核兵器というのは、何重にも人を苦しめるものなのである。


でも、僕は原爆のことを語ろうと思ったことはあまりない。別に、それは自分が差別されたという偏見のトラウマに縛られているわけではない。もちろん、僕はアメリカが嫌いだが、それはアメリ帝国主義嫌いなのであって、個々のアメリカ人のことはそれほど嫌いなわけではない。ただ、英語ドルアメリカ型民主主義がどこでも通用していると思い上がっていることが嫌いなだけで、これと原爆のことは何の関係もない。

ていうか、そもそも、僕は広島には数年住んでいただけだから、それほど、強い思いがあるわけじゃない。でも、アメリカ人が原爆のことを怒ってくれると凄く嬉しくなるんだよ。


だいたい、僕は被差別体験なんてあんまり語りたくない。差別された方がエライという倒錯的な世界に入りたくないからね。僕はそういう変態じゃないんだ。


まあ、美意識の問題だな。この業界は少数派、被差別者である方がエライという逆差別がまかり通っているところが問題であるわけだし。


町山氏が「はだしのゲン」についてトンチンカンなコメントをしたところで、別になんとも思わないんだけどな。別に、僕だってそれ以上の知識があるわけじゃないしね。

核兵器で死んだのが日本人だから重要なのでも、死んだのが朝鮮人だから重要なのでもない。白人が作って有色人種が死んだからでもない。

アメリカが使ったから反対したのでもない。たまたま、アメリカが先に開発して僕たちがそれを持ってなかったから、そうなっただけで、僕たちが先にそれを持っていたら、僕たちが先にそれを使っていた。

これを人種問題に結びつけるのは簡単だ。アメリカが大量破壊兵器を使ったのは、広島、長崎、ベトナムだけだからね。でも、僕はそうしたくない。

なぜなら、核兵器は人種問題とか関係なくて、核兵器というのは、日本人とか朝鮮人とか連合軍捕虜とか関係なく、女子供老人にいたるまで、平等に殺します。戦争が終わってからも放射能で人を苦しめるし、放射能を浴びてない人まで苦しむ。だから、問題なんだよ。


もしかしたら、これで人類が滅びてしまうかもしれないと思ったから、僕たちは反対したのだ。でも、僕たちリベラル派は都合よく忘れてしまうことがある。僕たちリベラル派核兵器に反対したが、カラシニコフの生産には反対しなかった。実際には、核兵器で死んだやつよりも、カラシニコフで死んだ奴の方がずっと多いのに。

少なくとも、僕はカンボジアで雇ったガイドに、「アンタのオヤジが担いでたのは、もちろん、M16だったよな?」なんて軽口をたたく気になれなかった。僕はそこまで恥知らずではない。かついでいたのが、カラシニコフだったから悪かったとか、M16の方が良かったとかそういう問題でもない。

僕たちリベラル派反戦運動をしているフリをしてM16を担いでいる連中の派兵については反対した。でも、カラシニコフをかついでいる連中には反対しなかった。

僕たちリベラル派は銃器を規制すべきだと主張する。でも、カラシニコフには反対しなかった。

どうして?

核兵器で殺すのは残虐だが、民族独立のため、帝国主義に反対するための人殺しは正しい人殺しで、カラシニコフを使うのは核兵器を使うよりもクリーンだからだ。そこまでは言ってないって?

おなじことさ。

少なくても、僕たちリベラル派スターリンとか毛沢東とかポルポトとかセンデロルミノソのことを語るのは熱心ではない。

そうだった。スターリン主義の個人崇拝は誤りだったと批判したんだったな?

そうして、僕たちは免罪符を得た。

なんたって、僕たちリベラル派は奴らと違いますからね。わっはっはっ!これでみんなハッピーだぜ!

注意・僕はハッパはやってないからな。

でも、僕たちリベラル派ベトナムキューバ、とくにチェ・ゲバラのことを語るのは大好きになった。



へ〜、それで?


もう、黒人の味方のフリして金儲けするような恥知らずのマネをするのはやめようよ。

でも、僕はあえて書く。

ルワンダは遠い世界の私たちリベラル派とは違う人たちの話。私たちリベラル派は虐殺なんかしない」と思う観客の皆さんのために。


少なくとも僕たちリベラル派はアフリカにこのようなことをしている。


・もっと効率的でクリーンな人殺しが出来るためにカラシニコフがばら撒かれることを黙ってみていた。
地域紛争に干渉すべきでない、として西側の軍隊をひき上げた。もちろん、アメリカは民主党クリントン政権で、その当時、軍事予算を削減していた。本音は、黒い連中のために死ぬのは真っ平ごめんだったということだ。アフリカ人20人に1人の割合で西側の軍人が死ぬようなことがあったら、経済的に割りに会わない。まさに、ベトナム戦争ではお金の問題でアメリカは敗北した。その経験は生かされた!
植民地主義に反対した。そして、植民者を追い出して、援助物資をばら撒いて地域経済を破壊して、彼らが自立することを妨げた。そして、アフリカはより貧しくなった。少なくても、植民者がアフリカにやってきたのは、豊富な資源があって農産業に有望な土地であったからで、貧しかったからではない。昔はもっと緑があったのに、これを破壊した。
・僕たちリベラル派がアフリカで一番非難したのは、南アフリカだった。ところが、現在、アフリカで一番マシな国は、植民者を追い出さなかった南アフリカだ。もちろん、これはマンデラが賢かったからだ。


なあ、キミ。他人様に説教する前に、やる事があると気付かないか?