小泉政権勝利で高値

改革の期待感で外国人投資家が買いを入れているためあげていますね。円も高いです。

確かに、議会の解散で抵抗勢力の切り捨てというギャンブルは、かつての日本の政治家とは違うような気がする。
政府与党の圧倒的な勝利は、小泉改革にフリーハンドを与えるものだ。しかし、その中身はというと非常に問題である。

確かに、構造改革が進まないことに僕たち投資家はいらだっている。しかし、それで郵政を民営化するというのは、明らかにやつあたりだ。

まず、郵政民営化で全てが解決するというが、そもそも民間の銀行ではなく、政府がやっているから安心だという理由で郵貯に大切なお金を預けているのは国民の選択である。
これは民意ではないのか?
郵貯がお金を集めて、公共投資で無駄使いいしていることは非常に問題であって、そこに自民の族議員の利権がからんでいる訳であるが、郵政民営化では、お金を集める方の話だけで、そのお金の使い方の方の話はしていない。
そもそも、民間の銀行に国債を引き受けさせているわけであるから、郵政民営化構造改革が出来るわけがないのだ。
自民への投票行動は郵政民営化で誰が得するのかという根本的な議論なしに、公務員の地位に嫉妬したからでないのかと思われる。公務員を特権階級とみなして攻撃するのは筋違いだ。

私は今、タイにいるのですが、大富豪のタクシン首相という強権的な政治手腕がかえって混乱を引き起こしているのを見るどうしても小泉政権とイメージがダブってしまう。
たとえば、タイ南部のテロリストの問題である。
90年代はタイのイスラム過激派は「本当にいるのか?」というくらいに散発的な活動にすぎなかった。タイのイスラム教徒はいろんな問題をかかえているにしても、仏教徒と共存していたのである。
ところが、現在では政府側だからという理由で、多くの仏教徒の教師がテロの犠牲になり、教師が銃で武装するという異常事態になっている。
タクシンはテロリズムとの対決と言いながら、むしろ、テロリストを育ててしまったのだ。
これは、明らかなタクシンの失政だ。
簡単にいうと政府と企業の役割は違うし、ビジネスマンは政治家ではないということである。
経済をすべて企業の論理でやるのが良いとは思えない。このあたりが小泉政権が勘違いしているところだと思われる。