ホテル・ルワンダ 天皇についても語ってみる
「んで、町山氏が今の天皇が好きか嫌いかって話しは本人の勝手だからいいんだけどさ、朝鮮人氏ねとか言われたときにそれを言うのは、ちょっとやっぱり変なんだよな〜。」
「辛淑玉もこんなこと言ってるよね。」
「最近、あちこちで（日本人に）文句を言うと、『出てけ』とか『帰れ』と言われる。そうすると、『ハイわかりました。朝鮮人はみんな帰ります。天皇つれて帰ります』と言ってやる。（笑い）。だけど、アイツ働かないからな（笑い）」
「でもさあ、天皇連れて帰ってよしとか言われたらどうすんだろうな。」「帰らないだろう。なんてったって、辛淑玉が天皇に一緒に帰ろうって言ったって全然聞いたことが無いぞ。」「でさ、辛淑玉は天皇に一緒に帰ろうと言ったとして、お前だけ帰れよっていわれたらどうすんだろな。」「わかりました。天皇はこれから働きます。一番最初の仕事は朝鮮人抹殺ですとか言われたらどうすんだろうな。」
「例のゆかり発言で韓国人が喜んじゃったのも相当おかしいよ。」
「何が言いたいのかって言うと、朝鮮人がこれだけつらい思いをしなきゃいけないのは何故かってところを、根本的に考えないとダメだと思うんだよ。そのためにこれからつらい思いをするかも知れないんだしな。つまり、それはやっぱり天皇制なんだよ。」
「これまたサヨクな発言だな。」「ていうかさ、サヨクな人も天皇は朝鮮出身なんだぞっていうのは止した方がいいと思うんだけどね。」「だいたい、日韓同祖論をなぜ言うようになったのかというと、日本が朝鮮を支配するために都合が良かったからだろう？」
『日本書紀』成立後、「三韓征伐」によって朝鮮は日本の属国に入ったとされ、この見解を正当とみる人は朝鮮を「日本の属国」もしくは「元日本の属国」として扱う事が多い。後年の文禄・慶長の役（朝鮮出兵）の大義名分（朝鮮は三韓征伐以来、日本の属国であり支配する権利がある）として積極的に用いられた。江戸時代に入ると国学研究の中で三韓征伐、およびそれを大義名分とした文禄・慶長の役を肯定的にとらえる論説（山鹿素行『武家事紀』など）が広まるようになった。
この傾向は明治時代以降も続き、征韓論が台頭したときや実際に大韓帝国を併合する際や、日韓同祖論が生まれ、外地における同化政策(皇民化教育など)が進められるようになったときも、その思想的背景の一つとなった。
「でさあ、天皇制の何がいけないのかっていうと、中華思想だからなんだよ。」「天皇が居る東京が一番華やかで地方に行くほど野蛮になる、地方出身者は野蛮人だって発想だからな。」
「だから、朝鮮人虐殺なんてことが起こったんだよ。毛沢東思想とか金日成主義でヒドイ目にあった人たちだって、たとえば、金日成の思想から離れているってことで殺されちゃったりしてるんだしね。」「実際は離れているとかいないとかよりも、単なる自分が嫌いな奴にレッテル張りしてやっつけたりしてな。」
「で、今回の騒動の発端だって、ポールさんみたいにならなければってとこから始まってるわけじゃん？」「めちゃめちゃ金日成主義者的な行動だよな〜。」「でも、本人いわく保守だって話が、朝鮮人が中華的だから、日本で中華的である天皇が好きになるってのはあり得る話しなんだろうけど、やっぱりそれではダメなんじゃないかという。」
「その点、昭和天皇は晩年、とぼけたフリしてて良かったよな〜。」「いまの天皇が、憲法守りますとか、韓国と仲良くしましょうって発言はサヨクな人にとっていい事なんじゃなくて、天皇の政治的側面が強くなってきているということだから、警戒すべきことなんだよ。」
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20060312
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20060304
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20060225
「もう、ここまで来るとただの既知外だと思われるかもしれないけど、どういうわけか町山氏には批判したくなっちゃうんだよな。」「まあ、この騒ぎを引き起こした町山氏も身から出たサビなんだから気にするな。」
「で、ボクがちょっとイヤんなっちゃったのは、リベラルな人だと思っていたら保守派だと言い出したり、今の天皇が好きだとかの発言なんだよ。」「ちょっと裏切られたような感じがしたわけだな。」
「まあ、町山氏の立場で保守とかいっちゃうのはおかしいと思った点について、リベラルと保守の違いはすでに語ったのでいいとして、天皇についてなんだけど。」
「天皇制反対なわけ？」「いや、小林よしのりのゴー宣で雅子様が天皇制はんた〜いっていったらどうするってギャグがあったけど、僕自身はあるのかないのかわかんないくらいの天皇制ってのはあっていいんじゃないかと思うんだよね。」
「いわゆる、ゆかり発言についてはどうなの？」「あれで、天皇は韓国人だという人が増えたんだけど、そのことについて、町山氏は好きになったのかも知れないが、実は、天皇が韓国人だってことはありえないんだよ。」
「日本書紀はウソだっていうのか。」「そんな昔のことではなくて、ボクはリベラル派なのは、ようするに海式だってことはすでに説明したけど、海の歴史と陸の歴史ってのは違うんだよ。」
「海の歴史ではどうなるわけ？」「壇ノ浦の合戦で平家が滅亡したときに、天皇家は一端途絶えているんだよ。ついでにいうと、それ以来、近代になるまで日本の歴史上で海戦ってのはないわけだから、海の民は反戦平和主義なんだよ。」
「すげ〜、こじつけだな。でもほら、あれは色々とあって、別の天皇が即位したんだよ。」「んじゃ、三種の神器は？」「海底に・・・・没したな。」「んで、後鳥羽天皇 は三種の神器無しで即位したんだけど、それはいいんだよ。天皇が持ってるのはレプリカで本物は別にあるとか色んな話があるけど、元々、神話なんだしね。」「んじゃ、それって本当にあるのかな？」「知らんよ。あることになっているわけだし。」
「んでさあ、今の天皇がゆかり発言で伝統行事がどうのこうのって話しがあるんだけど、今の皇室の伝統行事だって公式的には古式にのっとってることになってるけど、本当にそうなのかは、誰にもわからんことだよ。せいぜい、明治時代までしかさかのぼれないって説だってあるんだし。」
「天皇だって真相は知らんだろうね。」「いまの天皇が昔の天皇から血統が続いているのかどうかって単なる思い込みで、誰にも証明できないことなんだよ。江戸時代だけで見ても、三百年くらい天皇は歴史の舞台に登場してないわけだし。」「途中でどうだったのか、誰にもわからんよね。」
「では、ゆかり発言で示された百済系の子孫である高野新笠が桓武天皇生母であったというが、どういう人だったのだろうか。
父の和乙継は百済系の渡来人で、姓（かばね）は和史（やまとのふびと）であったが、白壁王の即位後、高野朝臣と改姓したものである。続日本紀延暦8年12月28日条に
「皇太后姓は和氏、諱は新笠、贈正一位乙継の女（むすめ）なり。母は贈正一位大枝朝臣真妹なり。后の先は百済武寧王の子純陁太子より出ず。、、、、皇太后曰く、其れ百済の遠祖都慕王は河伯の女日精に感じて生めるところなり、皇太后は即ち其の後なり。」
とあって、和氏が武寧王から出た百済王族であることを明らかにしている。日本書紀によれば継体天皇7年（西暦513年）百済太子淳陀死去とある。淳陀太子の没年と高野新笠の推定生年（710年〜720年）には200年以上の開きがあり、和氏が百済系渡来人といっても百済王氏のような今来（いまき）の百済人ではなく、相当な古来である。和乙継の名前をみても相当日本化した渡来氏族だといえる。
「つまり、ほとんど関係ないってことなわけ？」「それくらい昔にさかのぼるなら、俺だって天皇家の末裔かもしれんよ。」「そうだよね〜。」
「そもそも、百済は唐・新羅の連合軍に滅ぼされているわけだから、当時の百済は現在の朝鮮半島にあったとしても、現在の韓国とは何の関係もないってことになる。ユダヤ人が、パレスチナ人をユダヤ人だと言っているようなものだな。」
「たまたま、昔はそこに住んでいたのかもしれないけど、滅ぼされて亡命した人たちを同じ民族扱いするのはおかしな話だよね〜。」
