なぜ、日本のIT産業はダメなのか
東芝、富士通、NECなどのPCメーカー、大手家電メーカーの業績が思わしくない。これに対して、これらの時価総額を足してもグーグルの時価総額に及ばないという。これは何故か。グーグルが過大に評価されているかどうかは、興味のないセクターなので差し控える。
一昔前なら、日本はハードは良いけど、ソフトがダメだと言われたものだが、そのハードメーカー自体が地盤沈下していることは事実である。日本のIT産業は買いなのか、売りなのか。
元々、日本のIT産業は鉱業から出発していることを知る人は少ない。
富士通は古川財閥の系列であり、古川財閥といえば、教科書にも載っている足尾銅山で発展した財閥である。銅をほって銅線を作り、通信機器を作って。コンピューター事業に乗り出したのが富士通であった。
戦時中、戦後の一時期までは、鉱業は国にとって重要な産業であり、国よって保護されてた。鉱業でも土建屋でもいいが、国の金で食っている業界は同じような問題がある。
その意味で、日本のIT産業の構造的な問題は、基本的に土建業と同じと考えてよい。公共事業でビルを建てると、そのビルにはコンピューターを導入するのであり、ハードもソフトもパッケージで納入するので基本的に競争がない。日本のIT産業は事実上、国の保護を受けていた。日本のIT産業の最大の顧客は官庁と金融であり、日本のIT産業の不況は土建業と同じで構造的な問題なのである。
つまり、日本の金融機関や土建業が儲かっていない以上、日本のIT産業も儲かるわけがないことは当然なのである。本来、儲かっていない会社は潰さなければいけないわけだが、政治家と企業が癒着しているため、潰さずに合併してごまかすようなことが、金融、土建業に見られた。
日本企業の全ての業績が悪いのではなく、トヨタやホンダは利益を上げている。トヨタとホンダが他社と違うのは、収益源が官庁とは関係がないからである。つまり、日本の景気が良くても悪くても、トヨタとホンダは北米市場で強いため、日本の構造不況とは無縁なのだ。
おそらく、IT産業も潰さないでごまかすようなことをするのだろう。そして、土建屋体質も温存されるわけである。その意味で、日本のIT産業は触る必要のないセクターであるといえる。