■

スマトラ沖地震でタイのシルバーアクセサリーはどうなる？

ところで、あやしい外国人露天商がシルバーアクセサリーを並べて売っているとこを見たことがあるという人は多いだろう。実は、彼らが売ってるシルバーアクセサリーの原産地はタイ北部であることは案外知られていない。
元々、タイ北部では伝統工芸として銀細工が盛んであったが、これを欧米や日本に紹介したのは、ヒッピーとかバックパッカーとか呼ばれる外国人旅行者たちであった。
彼らはタイでシルバーアクセサリーを仕入れて、日本で売り、儲けたお金で旅を続けたり、あるいは、タイのビーチでのんびりとすごすのである。
バックパッカーはそのような商売のノウハウを知っていて、旅行ガイドブックでも詳しく解説しているということである。
バンコクにはカオサンロードという外国人旅行者向けの安宿街があるが、そこにはシルバーアクセサリーの問屋やら、Tシャツやサッカーのユニフォームなどを安く売る問屋が何軒もあるのである。
日本では欧米や他のアジア諸国とは異なり、ホワイトジュエリーの需要が多いのと、日本自体を観光で訪れるというニーズが一致していたと考えられる。
つまり、タイは人件費も滞在費も安いため、材料を仕入れて、タイから一番近い先進国ということで、航空券も安いし、日本で売ると儲かるに違いないと目論んでいた外国人旅行者が多かったのだ。
彼らは立派なホテルに泊まるということは考えられず、ビーチのそばのバンガローに長期滞在していたはずだから、今回の津波で相当の犠牲者が出たのではないだろうか。
本日は東京の商品市場は休場であったが、海外では貴金属市場で相当の売りが出ているため、アジア地域の需給懸念を嫌気したものと考えられる。