ライブドアリセッション

まあ、ライブドアに関して言えば、それまで資本主義万歳とか言ってたフジサンケイグループの買収劇で、金儲けのためなら何をしてもいいのかとか、会社は誰のものかとか、そういう低レベルの物言いで醜態をさらしたマスコミが手のひらを返したように叩いているのが笑えますな。

それにしても、証券会社から金を貰ってたり、自分の株を売り抜けるために躍起な株式評論家とかアナリストの意見はしばらく聞かない方がよいだろうね。だいたい、ライブドア関連で一兆近い時価総額だったのが、この部分が金融市場で吹っ飛んでしまったわけだから、影響がないわけがない。

たとえば、IT長者みたいな連中はライブドアに関係してなくても、連想でしばらく売られる展開になるため戦々恐々といったところだろう。大なり小なり似たようなことをしていることは想像に難くない。

ほりえもんライブドアが違法行為をしていたか否よりも、ライブドア的なものの全てが批判の対象になっているわけだしね。そうなると、金融市場から消えてしまうお金は一兆ではすまなくなる。

それはたとえばこんな形で影響するわけだが、キャピタルゲイン課税と不動産優遇税制のため、IT長者は株を担保にして不動産を取得しているケースが多い。IT長者というと金にうとい技術者がいつの間にか大金持ちになったというイメージがあるが、実際のところはかなり胡散臭い連中の金儲けの手段がたまたまITだったというケースの方が多いのではないか。
ライブドアはIT企業だというが、すでに犠牲者も出ているわけで、そういう意味でもまともな会社ではなさそうという気がする。

素直に、株を売った金で不動産を買っていればまだいいのだが、そもそもが胡散臭い連中であるため、余計な知恵だけは人並み以上にあることから、不動産をローンで買う。
税金対策のため、たとえ金利を負担したとしても、証券担保ローンで融通してもらって不動産を借金で購入した方が得だからだ。

もちろん、株価が下がらなければの話である。

ところが、株の暴落で担保不足に陥った場合、追加の担保を用意できなければ不動産を売らなければ仕方が無いということになる。当然、不動産の需給に影響するし、不動産価格の下落を招く。もともと、株以外にめぼしい資産の無い株長者は没落しないと仕方が無いわけだが、そもそもが、膨大な借金が残ったとしても、破産すればいいだけと思っているから始末が悪い。

金利収入で食ってる金融機関の収益も減り、不良債権も増えるわけで、それがまた金融市場に影響を与えるわけである。それがさらに・・・というわけでスパイラル的な株価の下落につながる悪循環になるわけだ。

これが単なる調整に終わらず、日経平均が再び一万円割れを目指す展開になる可能性は十分にあるだろう。