RCAとライブドア

どうも、やっぱりほりえもん経営判断を誤ったような気がする。RCAという会社がどんな会社か、ほとんどの人は知らない。これは60年以上前のバブルで人気だった株である。アメリカでは有名な会社だが、GEという会社がどういう会社かほとんどの日本人が知らないのと同じように。

いまは、ネットラジオがただみたいな料金でできるし、パソコンにネットラジオを聴くためのソフトも付属している。これでは、ラジオの出番はないと言える。テレビ局も同じようなものである。

それで、なぜ、ほりえもんニッポン放送を買うのか?

GEというのは、アメリカの家電メーカーで「日本はゼネラルマッカーサーにではなく、ゼネラルエレクトロニクスに負けた。」というくらい、アメリカでは代表的な家電メーカーであったが、収益があがらないという理由で家電部門を売却した会社である。これは、日立が家電部門をやめるようなものだ。これはつまり、何十年も前にハイテクだったのは、やがてハイテクでもなんでもなくなるということである。

日本の経営者のダメなところは、自分の経営判断の誤りを認めないで、自分の経営能力を過信することにある。どうも、ほりえもんにもそんな傾向があるようだ。株式会社では、経営と資本が別であることを前提にしているが、資本と経営を同じ人物がやると、チェック機能が働かないという問題がある。

M&Aは「この会社の内容も経営もすばらしい。金は出すがクチは出さないので応援したい。」というのが一番上手くいく。倒産しかかって、信用を失った会社なら、「私がリフォームした方が上手くいく。」でいいと思うが、フジサンケイグループはそういう会社ではない。

また、ブジサンケイグループがライブドアにとって、魅力的な権利をもっているわけでもない。土地などの資産価値に注目したようであるが、そのこと自体見当はずれである。

たとえば、鉄道会社は鉄道を作ることで土地の資産価値を高めるが、基本的に放送局にとって土地はコストであり、プロフィットに結びつく部分ではない。しかも、今後は日本の人口は減るのであるから、これは非常に大きな問題である。

つまり、今後の不動産経営はどれだけの収益を出せるのかで判断すべきであるということである。インターネットのビジネスモデルは、土地や固定資産に関するコストがかからないところに優位性があるのだから、なおさらである。

もし、将来的に放送局を解体してばら売りするのであれば、それなりに意味はある。しかし、それなら、もっと後でもいいはずである。