円高はどこまでいくのか
- 作者: 藤巻健史,宿輪純一
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2003/11/14
- メディア: 単行本
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このところのユーロ高の修正で円が買われているらしい。
当局の円売り介入は中国と同じで事実上のドルペッグになっている。ドルペッグ制が長期的に良い政策であったことはなく、ほとんどのケースで破綻している。
たとえば、実際のドルの価値が1ドル90円しかないのに、為替市場で1ドル102円で取引されていたとすれば、投資家は当然、ドルを売って円を買うわけであり、そうすれば、1ドルあたり12円儲かることになる。これを無理やりに円売り介入をして、102円台を維持できるうちはいいが、これが破綻すると投資家が勝てることになり、日銀は投資家にお金を上げていることになるわけだ。
注目すべきことは、数年前と比べてデフレ阻止のための円安論が後退していることである。日本経済はこのところ堅調であり、外資による日本買いが景気を下支えしている効果が大きい。円高になると不況になるという懸念が払拭されつつある。
つまり、日銀が介入で円安に誘導して日本の資産価値がドル換算で実際よりも安く取引されているとすれば、外資は当然、日本買いをして日銀を攻めてくるわけである。、
当局が必死になってドルを買い支えていたのをやめるとすると、一気にドルが暴落してもおかしくない。この状況で日銀当局が102円台を防衛する気があるのかどうかが、今週のポイントになりそう。