円キャリートレードの終焉

日銀当局がマヌケなプレーヤーを演じていたおかげで、外国人投資家が大儲けしたのは周知の事実ですが、円金利上昇リスク懸念についてブルームバーグに記事が出ました。

http://www.bloomberg.co.jp/news/commentary.html

【経済コラム】日本回復で心配なキャリートレードの爆弾-W・ペセック
  2月22日(ブルームバーグ):驚くほど強い日本の成長が、多くの人の目を引いている。ゼロ金利の終了を模索する日本銀行も、もちろん注目している。 2005年10−12月期の5.5%成長が、日銀を量的緩和解除に向けてさらに一歩前進させたことは確実だろう。しかし奇妙なことに、世界の市場は日本の金利上昇に備えているようには見受けられない。

  世界の投資家が日本の回復に熱狂しないのは、過去に何度も通った道だという思いがあるためだろうが、最近の数字は、最も疑い深い投資家をも納得させるものだ。もちろん日銀はこれを認識しており、近く量的緩和の解除を開始するだろう。いったんこれが始まれば、日銀がどの程度積極的に動くか、債券利回りにどの程度影響するかは誰にも分からない。

重要な理由

  日本の金利上昇が世界の市場にとって重要な理由は2つある。1つは、世界最大の国債市場の利回りが10年余りで初めて、着実に上昇するという点だ。もう1つは、これが、いわゆる円キャリートレードの終わりを意味する可能性があるからだ。

  キャリートレードで恐ろしいのは、その規模を誰も把握していないことだ。どの程度の数のヘッジファンドや投資家、企業が超低金利の円建てで調達し、他の高利回り資産に投資しているかは日銀も知らない。国際決済銀行(BIS)も、ニューヨーク連銀も、国際通貨基金IMF)も、この人気の高い取引で世界の銀行がどの程度レバレッジを高めているかは分からないだろう。

  過去10年の間に、日本と米国の金利差を生かす円キャリートレードは、多くの投機家にとって定番の取引となった。ゼロ金利で円を調達し、米国債で運用すれば3%超の金利差に加え、場合によっては円に対するドル上昇というおまけが付く。しかし、日銀が利上げを始め、日本の回復期待で資金が流入すれば、キャリートレード愛好家には気の毒だが円は上昇する。この取引が逆噴射したとの認識は、世界の市場を揺るがせるかもしれない。

衝撃

  衝撃はまず、投機家らが損失の出始めたポジションを唐突に解消するところから緩やかに始まるだろう。米国債や金、上海の不動産、グーグル株など、低金利で借り入れた円資金で購入した資産の投げ売りが始まる。次に大手メディアがこの話題に飛び付けば、連鎖反応が加速していく。

  このシナリオが突飛なものに思えるなら、1998年の終わりを思い出してみるといい。キャリートレード参加者らのパニックが何を引き起こすかのよい例だ。同年10月、ロシアがデフォルト(債務不履行)に陥り、ヘッジファンドロングターム・キャピタル・マネジメントの崩壊が世界の市場を揺さぶった。混乱の極致で、数年にわたって下落していた円は2カ月足らずの間に20%上昇した。

  低金利の円で調達していた借り手が突然、一斉にポジションの解消に向かった。ワシントン、東京、フランクフルトの殺気立った当局者らの間で、電話会議が行われた。円キャリートレードの規模はどのくらいなのか。どの程度のレバレッジがかかっているのか。秩序を回復するために、当局者にできることがあるとすれば何か。

これについては金相場が参考になるかもしれません。金には元々、利息が付かないという理由と、米国株高の影響で、90年代後半に金相場の長期的なベアマーケットがありました。

そのため、金現物市場で金を借りてきてそれを担保に米国債を買い、一定期間後に米国債
売って、金現物を返却するという取引が流行りました。
そうすると、金現物のリースレート(借り賃)だけを負担するだけで、事実上ノーリスクで米国債を運用できたわけです。
金価格はドルと違った値動きをするという点も大変重要で、これも日本円と同じような性格をもっています。

金の在庫を持っている人にとって、金には利息が付かないため、寝かしておくだけでは利益が出ないので、借り賃欲しさに金現物が市場に出回ることによって、さらに金価格が下落しました。
そこで、ヘッジファンドは金現物を借りてきて、これを売却して資金を得て、そのお金で米国債を買い、米国債を売ったお金で金現物を買い戻すという取引をしました。買い戻すときは売ったときよりも金の値段は下がってますから、その分、買戻しに必要なお金は少なくなっているわけです。
ところが、2000年頃に金価格が底打ちして、金価格が上昇し始めたため、この取引を解消するため、さらに金価格の上昇が加速しました。もちろん、それだけが金価格上昇の理由ではありませんが、すでに、金価格は最安値から二倍になっています。

本当に、小泉君なんとかならない?

小泉君はどんな良いことをしてくれたのだろう?

ジャーナリストの地道な取材の結果、判明したことは小泉政権のどうしようもなさである。
どうしてこんな連中を国民は選んでしまったのか?
そして、なぜいまだに幻想を抱き続けることができるのだろう?

おそらく、国民が小泉改革なるものの真実に気が付いたときには、すでに遅いのだ。

一体、どうしてこんなことになってしまったのだろうと考えながら歩いていたら、連合の街宣に出くわした。例の堀江メール疑惑についての演説である。

若い連中、おそらく、人事部に配属されて、人事部の仕事の一環だといわれた新入社員が宣伝用のティッシュを配っているのだろうが、お前らはサラ金か?と突っ込みたくなるも、相手にするだけ無駄なので、無視して通りすぎた。

サラ金ティッシュの方がアイドルの乾いた笑顔に苦笑できるだけマシだといえる。

どうして労働者が連合のチラシを受け取らないのか、それを先に反省してもらいたい。その反省なくして、ティッシュを配っても無駄である。連合の活動が本当に労働者にとって意味のあるものなら、単なるチラシでも飛ぶように受け取ってもらえるはずである。

おそらく、労働組合の組織率は二十パーセント以下なのだろうが、これはどこの職場でも二十パーセントということではなくて、一部の大企業や公務員などある程度恵まれた環境にある人のみが組織化され、中小零細、パート、アルバイト、派遣労働者は差別され、捨てられているのである。

いつから連合はこれほど堕落してしまったのだろうか?

未組織の労働者は八割程度いると思われるが、彼らにとって労働組合に魅力がないのは、労働組合自体に責任がある。連合は、労働組合とか自称(すらしていないのかも知れないが)することはやめて、第二人事部とでも改称した方がすっきりするだろう。

終身雇用という前提が崩れた以上、企業別組合の使命は完全に終わったと言える。正社員制度とともに、企業別組合は消え去るのみなのだ。

労働組合というのは、ああいうものだとあきらめてしまう未組織の労働者にとって、連合も小泉政権も同罪である。それにしても、毎日、労働者が生活苦のために自殺するようなひどい時代に、ストを打たないでいつ闘うというのだろうか?

いま、闘わないような労働組合は意味がない。

なお、こんな投資とは全く関係のない話しを真面目に読んでいる人がいるってことの方が不思議かもね。いや、いないか、やっぱり。